TATTOO COLUMN
「謎の新人」そんな触れ込みで彼は音楽業界に現れた。
デビューアルバムの発売から約4ヶ月、正直彼の謎はまだ解けていない。
それは彼にとって謎とは武器であり、魅力でもあるという考えがあるからだ。
「手の内を明かさない」というのは彼独特の言い回しや比喩表現に繋がる物を感じる。
本物だからこそ全てを曝け出さなくても伝わる思いがある。
そしてその思いは、彼の体を彩るいくつものタトゥーにも込められているという。
彼の名は「RYKEY(リッキー)」
2015年6月3日彼のデビューアルバム「Pritty Jones」(プリティー・ジョーンズ)が発売された。
今回はその作品についてインタビュー形式で話を聞かさせて頂いた。
■今作「Prety Jones」でRYKEYさんが表現したかった事は?
そうですね、皆にある「人としての物語」。
ギャングの、とかハスラーの、とかストリートの、とかではなく、老若男女全て
の人に起こりうる普遍的な物語ですかね。
■「Prety Jones」の意味は?
聞こえ的には甘いと思うんですけど「Prety」っていうのはずる賢いとか全面的
に賢さを表したスラングとして使ってて、アルバム の中で内容の深い部分を表
してます。
「Jones」の方は中毒って意味のスラングがあるんですけど、このアルバムの中
では「勢い」だとか「結束力」みたいな意味も含め た"とがった"部分を表して
いて、その二つを合わせて「Pretty Jones」という題名にしました。
■プロデューサーJIGG氏との出会いは?
JIGG君とは2008年とかその位の頃、何かの縁でクラブで紹介されて、フリースタ
イルしたら「アルバム作ろうよ。」みたいに なって。
で、2009年位からアルバム一緒に作り始めて12曲位録って「じゃあアルバムだそ
うか」って話になったんですけど、自分の私事で 旅行に行かなくちゃならなく
なったんですね。
そんで旅行後、テンションも違うんで「新たに録ってみようか?」って事になっ
て今作「Pretty Jones」が出来たってゆう。
■じゃあ旅行前の12曲はJIGG氏がまだ隠し持っているって事ですか!?
そういう事です(笑)
■凄く顔が広いイメージですけど、特に仲の良いアーティストとか、目標にし
てるアーティストさんとかいます?
仲の良いアーティストはいっぱいいますけど、、
仲も良くて、目標にもしてるアーティストはKNZZ君や、SALU君ですかね。
■KNZZ君とSALU君... 凄い振り幅ですね(笑)
そうっすね。「ケニア」と「八王子」みたいな(笑)
■MV「BABY」の中では、大分前のめりにがっついてたけど(笑)、今現在彼女とかはいますか?
まぁ一応・・・あ、ご想像にお任せします(笑)
自分にとって女の子って、良くも悪くもいつも生活の中心、基本にあるっていう
か...
かといって、自分って女の子に手が早い方ではないんですよ。
あまり上手くないっていうか...女遊びとかは出来ないタイプです。
とにかく「BABY」を聴いて下さい。「もう愛を語るのはやめた」んで(笑)
■「無名」とか「謎の新人」とか言われてますけど、ご自身の中では実際どうでしょう?
いやまぁ、謎だと思いますけど...実際問題、これがHIPHOPであり、RAPだなぁと
いう自信はありますね。
クラブで積んで積んで積んでっていうのが「名前を売る」っていう訳でも無いと
思いますし。
「RAP」って同じような人達が「良い」って言えば「良い」音楽だと自分は思っ
てるんで、その部分では自分の事を
「無名」だとは全然思ってないんで。
■RYKEYさんにとって「RAP」とは?
「童話」っていうか「お話し」...?
自分は「俺はこうだ」とか「あいつを殺してやる」とかそういうRAPって基本出
来なくて、
現代社会の話を、「昔々あるところに...」みたいな比喩表現を使って落とし込
んでいく手法、
例えば、次のアルバムに入れようとしてる曲で「ナイチンゲール」って曲がある
んですけど、
その人の話をしているのではなくて、「まるでそういう人(ナイチンゲール)」の
ような、という風に
物語の題材としてイメージ出来るものを使い、物事の奥深さを語っていく...
それが僕にとっての「RAP」ですね。
■次回作のご予定は?
まず別人格である「アモン・カトナ」名義でのアルバム。
僕は2015年中に一気に「何者か」「どういう優れたものを持っているのか」とい
うのを提示をしたいんです。
それはなにかっていったら、「音楽をやっている姿勢」だと思うんですよね。
雑誌にファッションアイコンとしてスナップが出たりとかっていう事は"後回し"
にしたデビューをしたつもりなんで。自分でも。
まずは"ラッパー"の中で一番大切な、"RYKEYのRAPって何なのか?"という所から
人間を分かってもらって、
そこから次のファッションであったりメディアだったりに移行していきたいです。
■RYKEYさんって偶然会う度に色んな業界の著名人の方と仲睦まじくしてますけど、
ご自身の中で、今後打ち出していきたいヴィジョン や、何か目指しているものはありますか?
そうですね。僕、昔から単純にメディアに出たいんですよ。興味があって。
僕自身、声以上に、手の素振りだったり、目だったり、仕草だったりに自信があ
るので、
耳で聴くお話し以上に自分が活かせるんじゃないかと思うんです。
最終的には、自分の言った一言一言で誰かを救えるような影響力を持ち、学校と
か少年院とか施設とかを周ってみたい。
"ラッパー"として社会の中心で勝負してみたいです。
■「RYKEY」というアーティストを語る上で欠かせない、「ケニア」「八王子」
に対して伝えたい事はありますか?
「ケニア」はママの故郷ですし、自分も一年位旅したんですけど、ルーツだし
やっぱりしっくりくるんですよ「ここだなぁ」って。
「原点」であり、それ以上でもそれ以下でもないです。
「八王子」は物心ついた時からずっと暮らしてきた所で、沢山の仲間がいます
し、一番初めに僕を信じてくれたのも「八王子」。
人によって色々な「八王子」があると思うんですけど、僕にとってはやっぱり
「夢を叶えてくれる街・八王子」ですかね。一生の宝物です。
■じゃあ次はタトゥーの話を聞かせて下さい。ファーストタトゥーは?
左腕にクロスとプレイハンドをいれました。16の時に
いれた年が年だから、彫師の名前は伏せときます 笑
地元の先輩が彫師を目指してて、体貸したっていうか。僕の地元だとありがちな
パターンなんですよ。
■そこから少しずつ増やしてってという感じですか?
そうですね。全部で三人かな。
これも地元あるあるなんだけど、そのファーストタトゥーを入れてくれた先輩が
捕まっちゃって 笑
その間に付き合ってた彼女のお兄さんが、福生の結構有名な彫師さんで。
そこで結構増やしましたね。なんだろう、カッコ良く言うと何か自分の人生で転
機になるような事があったり、出会いがあったりした時に、それを忘れ ないよ
うにって感じ。
三人目は僕のバックボーンにある、母の故郷、ケニアに帰った時に向こうの人に。
■具体的にどのような意味があるんですか?
ケニアで入れた左腕はフレーズも書いてあるようにそのままの意味。真ん中の人
物はケニアの革命家なんです。まあこっちじゃ誰も知らないと思うけど 笑
2faceはさっき話した捕まった先輩が帰って来た時に。
「やっぱ人生泣き笑いあるよねー」みたいな話しててそのままノリでいれました。
懲役帰りだったから腕がなまってないか心配だったけど、先輩は細かい手作業す
る班にいたから大丈夫だった 笑
■見た感じアフリカっぽいものが多いように見えますが?
そうですね。やっぱりケニアにまつわるものが多いかも。
HIPHOPの人って、みんな自分の地元に関する事入れてる人が多いけど。
僕にとってのそれはケニアなのかも。
八王子で育ったのも事実だけど、やっぱり体に流れてるのは半分ケニアの血。
言葉もほとんど忘れちゃってるけど、大好きなママの国だし。
知らない事も多い国だけどすごく大好き。そしたらこんなに増えちゃった。
■ケニアってどんな国なんですか?
まだ僕もトータルで2年くらいしかいないけど、素敵な国ですよ。
友達はみんな「象とかキリンとかいるの?」とか聞いてくるけど、動物園とかい
かないと見れないよ。
ナイロビなんかはそんな東京と変わらないですよ。ケンタッキーもあればマック
もあるし。
槍もった部族が徘徊してるようなイメージもってる人もいるけど、地下鉄あるから!
◆インタビューを通じて感じた事は、話し言葉だけでなく、「RYKEY」という人間から溢れる魅力に惹きつけられてしまう事。
アーティストにとって楽曲やアルバムは息子、もしくは分身のような存在。その事柄を話す彼の言葉には愛が溢れていた。
今後彼が活躍することは間違い無いと確信できるインタビューでした。
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