タトゥー/刺青とは?

刺青(いれずみ、しせい)とは

日本においては、最古では縄文時代の土偶の模様から、刺青の存在を推定する説があります。

弥生時代に中国視点で記されている『魏志倭人伝』の中にも刺青の記述があるほか、埴輪にも刺青と思われる隈取(くまどり)を施したものもあります。

この辺りは詳しくは本サイト内『タトゥーガイド/tattoo guide』にも記載がありますので、ご興味がある方はご覧いただければと思います。

近世になると、刺青は都市の一部に急速に広まってきました。

遊女と客との心中立てとしての入れぼくろや、犯罪者が手首に輪のように入れられた文様を隠すため と言うとどこか後ろめたい感じもしますが、その他にも大工や左官、鳶に駕篭かきといった職種の人達はこの刺青に粋を感じて華々しく全身に施していました。

その図柄は花鳥風月から信仰、役者の顔までさまざまで、絵師が下絵をかき、彫師が針で皮膚に傷をつけて色素を擦り込みます。

錦絵の影響を受け芸術性の高いものも数多くあり、特に江戸時代の刺青は技術と色彩において世界一と言われています。

明治5年に太政官布達で法律により一時的に禁止されはしましたが、ご存知の通り現在でも存続しています。

近年では関東大震災のあと景気のよかった職人たちが競って彫ったという話もあります。

上記のように、日本の刺青は最早、伝統芸術と言っても良い域にあり、その技術も進化を繰り返しながら現在に至ります。

また、日本の伝統的な刺青を和彫りと呼ぶのに対して、欧米における刺青の呼び名であるタトゥー(Tattoo)を洋彫りと呼び分けている場合もありますが、両者に本質的な違いはなく、その一般的なイメージと、デザイン・描画の技法に違いがあるのみです。

和彫りは手彫り、洋彫りはマシンといった決まりもなく、和彫りでもアウトライン(スジ)はマシンで、ぼかしは手彫りで、というように混合する場合もあります。

『タトゥー/TATTOO』とはどういう物かという場合、これは日本における刺青と、狭義では同じ意味になりますが、ここではいわゆる洋彫りをタトゥーと解釈して説明します。

 

海外におけるタトゥー

海外におけるタトゥーは、1960年代末に世界的に流行したヒッピー文化(大麻やLSDなどの嗜好やカルト宗教への帰依などを特徴とする)に取り入れられて 大きく成長したため、そのデザインや表示するメッセージなどにおいて両者は不可分の関係にあり、ドラッグ・カルチャーとの関連からヒッピー達が好んだヒン ドゥー教やチベット仏教に由来する梵字やオカルト的なデザインが多く好まれています。

近年の日本では、従来の刺青とは異なる意味合いでこれを受容しています。それは従来の日本文化には存在しなかった新しい外来文化としての受け止め方です。

現在先進国の間ではアートとしてのタトゥーが盛り上がりを見せており、各地でコンテストやコンペが開催されています。国内に目を向けてみても、洋彫りで評価を受けているアーティストも数多く存在し、世界でも活躍しています。

 

刺青の語源

まず刺青(いれずみ・しせい)とは「入れ墨」の別称で、本来は「しせい」と読むが、当て字として用いられるようになったものです。

谷崎潤一郎が明治43年 (1910年)に発表した小説「刺青(しせい)」以降、特に、「いれずみ」を「刺青」と表記することが多くなりました。

確かに元々の「入れ墨」の場合は、 前科の証として犯罪者に入れられていた物ですから、刺青が一般にも受け入れられ始めた近現代に、その漢字も変遷していった事は必然かもしれません。

 

タトゥー(tattoo)の語源

タトゥーの語源はポリネシアの現地語の「ta tau」だと言われています。

ta tauとは、ポリネシア語で「印をつける」という意味や「2回叩く」という意味。

「ta」はポリネシア語で「手」を意味し、「U」は「色」という意味があるという説もあります。

場所によっては、「hahau」と呼ばれたり、少し離れた島では「tatu」と呼ばれる事もあったそうです。

以上ごく簡単かつ簡潔に刺青・タトゥーに関しての概要を記しましたが、結論として、それが何かという答えは未だ出ていないのではないかとも思っています。

彫る側の人も彫られる側の人も「刺青とは?」と聞かれた時の答えは千差万別でしょう。

それは各々によって、生き様であったり、芸術であったりする でしょう。ただ単に周囲を威嚇したいだけの人もいるでしょうし、その刺青に並々ならぬ思いを込めている人もいるはずです。

ただ単純にファッションであるという答えもあるでしょう。

その答えは刺青を背負う人のそれぞれにあるのかも知れません

 

タトゥーに関する知識が欲しい方は、タトゥーガイドをご覧ください

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