TATTOO COLUMN
先月に無事結婚式を終えたイギリスのウィリアム王子とキャサリン妃ですが、只今ハネムーンの真っ最中だそうです。イギリス王室と言えば、そのゴシップの多さも有名ですが、その中にあってウィリアム王子はまじめな優等生タイプでもあり、英国国民からの人気も高いそうです。
そんなイギリス王室ですが、日本の刺青文化と関わりが深いという話はご存じの方も多いと思います。
たとえば大政奉還の二年後、明治政府にとっての初の外国貴賓であるアルフレッド王子は横浜で刺青を入れています。(彫師不明)
その後明治14年、軍艦バッカンテで来日したアルバート・ヴィクター王子とジョージ王子も、日本の外務省に頼んで彫千代に刺青をいれてもらっています。
日露戦争の後にも、英国王エドワード7世の甥にあたるアーサー王子が、明治天皇へのガーター勲章を携えて来日した際、日光で初代彫宇之に刺青を入れてもらっています。
こう見ると当時の英国王室の和彫りフィーバーがどれ程のものだったかということが窺い知れます。
そもそも当時の日本では刺青は国禁、正式に国が禁止していたものです。そこを外交圧力で押し切り無理やり彫師を呼ばせるということは、王子たちも和彫りに並々ならぬ魅力を感じていたのではないでしょうか。
「ですから、現在わが国では入れ墨行為は野蛮なものとして禁止している次第でして・・・・」
「いいから彫千代読んでこいよ!龍彫ってくれないとミニエー銃売ってやらないぞ!」
みたいなやり取りがあったのではと妄想してしまいます。
そんな英国王室における刺青ブームの火付け役と呼ばれているのがエドワード七世です。
彼は厳格な両親に反発するかのように奔放な性格だった事でも知られています。和彫りの刺青を入れる前にも1862年に中東のエルサレムで、腕に十字架のタトゥーを入れていた記録も残っています。
そんなエドワード七世が日本で刺青を入れた事がきっかけで、王子たちにも広まっていったのではないかと考えられています。
そ もそもどうして彼らはそんなに日本の刺青に魅力を感じたのか、ということに関しては、そこに芸術性を見出したとしか言えません。彼らを乗せて日本の案内を する駕籠かきや、町中で壁をなおす左官達の背負った刺青にカルチャーショックと同時に深い感慨を受け、お土産に同じものをと考えたのではないでしょうか。
現代では英国王室の方たちが刺青を入れているという話は聞きませんが、もしかしたら誰かチャレンジしていただけるのではと考えてしまいます。
ウィリアム王子やリチャード皇太子はまずないとしても、大麻喫煙やナチスのコスプレなどのゴシップの多さで知られるヘンリー王子ならやってくれるッッ!とひそかに期待しています。
個人的には胸割りでガツンと水滸伝モチーフなんかが意外性があって良いかと思います。中央に額に入れて『プリンスオブウェールズ』とセットで入れるのもカッコいいですね!
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