TATTOO COLUMN

小泉又次郎という人物をご存知でしょうか?
「感動したッ!」でおなじみの元総理大臣、小泉純一郎の祖父にあたる人です。
横須賀市長、逓信大臣、衆議院副議長を歴任した政治家なのですが、彼は二の腕から背中、足首まで見事な龍の刺青が入っていたそうです。それでついたあだ名が「いれずみ大臣」「いれずみの又さん」です。
とは言ったものの、庶民派の大衆政治家でもある小泉又次郎は特に横須賀市民からの信頼が厚く、大変な人気を誇ったようです。
とび職を家業とする小泉家に生まれた又次郎ですが、少年期から海軍に憧れ、予備士官学校に無断で入って父に連れ戻されたりしていたようです。
しかし、家業を継ぐはずだった兄の急死により、父に何としても家業を継げと厳命された又次郎は鳶になる決意の証として全身に刺青を背負います。(刺青があると軍に入隊できない為)

その後数々の現場を仕切っていた又次郎は「親分親分」と現場では大変慕われていたようです。
その後、毎日新聞記者を経て、立憲改新党へ入党し、冒頭の要職を歴任することとなります。
この事実によって思うところは、当時と今ではまずメディアのあり方が違うということ。そして刺青に対する印象の違いでしょうか。
まず、当時は今とは違って、刺青が反社会的勢力と直結して捉えられることがなかったという点があります。
当 時は、宮大工、とび職、左官という技術職層の人達が刺青を好んだという風潮もあります。きちんと公益の為に働き、そして納税する。こういった層の人達が刺 青の社会的地位を保っていたのでしょう。そして明治期の当時はヤクザの形態も現在とは違い、まだ江戸期からの任侠色が強く残っていた明治の世相です。
とはいっても、数々の大暴れもしてきた又次郎は妾を囲ってもいましたし、メディアがそれを否定的に書き殴ることもできたはずです。当時と今のメディアのあり方の大きな違いがそこにあります。
現在のメディアは、ちょっとしたことでもスキャンダルにし、良い所をクローズアップする事が少なくなったのではないでしょうか。
総理大臣の漢字の読み間違いが新聞の一面を飾り、その政策にはほんの少ししか触れていなかったりもしました。
少なくともメディアの情報だけに自分の意志を左右されないように気をつけたいと思います。
今世紀中に刺青総理。
あると思います。

このエントリへのコメント[Facebook]

Posted at 2011年04月26日 13時05分